2015年12月24日

「老害、思考停止、低いガバナンス」日本の生産性が低い原因はゴルフ場にいけば分かる

投稿日:2015年12月24日

今年も公益財団法人日本生産性本部から「日本の生産性の動向 2015年版」がリリースされました。
〇2014年度の日本の名目労働生産性は770万円。名目ベースでは上昇したが、物価変動を加味した実質(-1.6%)では前年度から2.8%ポイント低下し5年ぶりのマイナス
〇2014年度の労働生産性上昇率はマイナスとなったものの、10~12月期以降をみると4四半期連続でプラスが続いている。ただ、足元の2015年7~9月期には±0%に落ち込むなど、弱含みで推移している。
〇2014年の日本の労働生産性(就業者1人当たり名目付加価値)は、768万円/購買力平価(PPP)換算)。順位をみるとOECD加盟34カ国中第21位だった。2005年から21位の状況が続いており、主要先進7カ国でも最も低い水準となっている。
〇就業1時間当たりでみた日本の労働生産性は4,349円。ニュージーランド(4,149円)をやや上回る水準にあたり、OECD加盟34カ国の中では第21位となっている。
要するに日本の生産性は依然低いままで、改善の兆しもありません。というレポートです。当サイトは元来、ホワイトカラーの生産性をアップさせるワンストップサービス「IT-Office」のサービス提供からスタートした事業ですので、この問題は常にトレースしています。

生産性向上を妨げる要因は何か?

当サイトもどうすれば日本のホワイトカラーの生産性が上がるか、これまでにいろいろ検証してきました。結論からいえば、生産性を上げる技術やツールはもう十分すぎるくらい存在しています。なのに成果が出ないのは、日本の商習慣や文化、労働者の意識、経営陣の考えなど意識レイヤの要因がボトルネックになっているからです。

意識を変えるのが最も困難である以上、日本の生産性向上問題は、まだまだ明るい兆しは見えそうもありません。

ゴルフ場に行けば、生産性の上がらない世界を一瞬で体験できる

筆者はゴルフを趣味にしており年間40~60ラウンドこなします。部活のようなものです。自宅近郊を中心にいろんなゴルフ場に赴きますが、CS向上、IT化、業務効率といった視点でゴルフ場の対応や運営を見ていると生産性の上がらない日本社会の縮図を体験できると断言します。

自社の生産性向上について何かヒントを得たければ、これから記載する内容を参考にゴルフ場へ赴いてみてください。ゴルフしないけど自社の生産性の現状を知りたい方は「シゴトの無駄診断」をおすすめします。

情報共有やインシデント管理がない?

ゴルフ場の生産性やCSの低さは、ゴルフ場到着前から体験できます。順に説明していきましょう。

ラウンド当日の天候について
エンジョイゴルファーなら雨でのプレーはできるだけ避けたいもの。1回のプレー代金も高いですから、ラウンド当日の天気は、結構シビアに事前調査しています。ウェザーニュースなどのネット天気予報は、直近であれば1時間毎の天候変化も把握出来ます。

それでも、予報はあくまでも予測なので、前日にゴルフ場に電話して現地の天候の様子などを聞いたりすると、ネット情報以下の回答しか返ってきません。正直がっかりです。こちらとしては、ネットの予測に加えて、現地の状態とか、これまでの経験上の情報を聞いて、判断の精度を高めたいのです。

天候の問い合わせなど、メジャータスクだと思うのですが、ユーザーの状況に合わせた段階的な対応パターンとかシミュレートしていないのでしょうか?

ゴルフバッグの積みおろし
多くのゴルファーはゴルフバッグを車のトランクに積んでゴルフ場へ向かいます。玄関に車を横付けするとゴルフ場のスタッフがトランクを開けてバッグをおろしてくれます。しかし、ハッチバックなど運転席側から開閉の操作ができない車種があります。そういう車の場合、ゴルフ場のスタッフがトランクの開け方がわからず戸惑っているシーンに結構な確率で遭遇します。

その時思います。国産メーカーや主な外国車のトランクの開け方くらい把握しておかないのかな?もしくは、そういうケースがあった場合インシデント情報として情報共有すれば、短期間でこのようなトラブルは解消されるはずですが、そういう雰囲気はあまり感じられないです。

フロントで署名受付
レセプションの際、電話予約者もネット予約者も常連も一律に住所、生年月日、電話番号ほか、個人情報一式を署名させるゴルフ場。法律の問題もあるけれどネット予約などで個人情報データをあらかじめゴルフ場が入手している場合、改めてカードに署名して運用とか、紙と時間の無駄ですね。毎回メールアドレス欄とかそもそも手書きさせるのもどうかと思います。

あと、記載した携帯番号に断りもなくショートメールのDMを送ってくる非常識なゴルフ場もあります。

コンペの申し込み~当日の運営
コンペで利用する場合、幹事は参加者のリストや開催要項、競技ルールなどを作成してゴルフ場に送りますが、おどろくことに未だFAXでの受付。メールで受け付けてくれるゴルフ場は少ないです。しかもFAXだろうがメールだろうが確認の返信もありません。

そしてあろう事かコンペ当日に幹事がフロントに挨拶しに行った際、スタッフから本日のコンペ・ルールは何でしたっけ?とか聞かれることもあります。コンペ情報とか申し送りされてないのですね。

ゴルフ場に到着してプレーを始める前の段階で、すでに顧客に無用の負担やストレスを与えています。これでは、働くスタッフの生産性はもちろん、当然CS向上は望めません。小さな人的ミスやいいかげんさが解決されないまま永遠に積み重なっている悪循環です。

人的リソース配分ミスと著しいIT化の遅れ

ゴルフ場はサービス業のカテゴリに入ると思うのですが、ホテルよりも対応が洗練されていないし、レストランに至っては、観光地のまずくて高い飯という印象が強かったりとサービス向上における問題は山積しているはずですが、対応のスピード感もないし、そもそも製造業のような業務改善フレームワークが存在しているのかさえ疑問に思うことがあります。

手書きのカードを集めて再入力するコンペ集計
ゴルフで最もIT化してほしいのは、コンペの集計です。個人ベースのスコア入力に関しては、スマホ対応のアプリがたくさんあって、利用者は増えています。そして1組につき一人がスコア記録できるスマホアプリを使っていれば、プロの試合のようにリアルタイムでスコアの情報が共有できるツールもあります。当然ながら、参加者全員がプレーを終えた瞬間にスコア集計も完了しています。


しかしながら未だ、各組手書きのスコア集計カードをゴルフ場に提出して、ゴルフ場のスタッフがそれを自社のシステムに再入力し、コンペ結果を紙に出力する方法が主流です。

この方法の場合、集計までにそれなりの時間がかかるし、手入力ミス、ルール設定のミスのリスクが高く、ミス発生後に再集計するとなると、とんでもない無駄な時間が発生してしまいます。

各人のスコアを入力する機能をカートに搭載しているゴルフ場もあります。これなら前述のスマホアプリと同等のことが可能。もし個人マターのミスがあっても途中で発覚する可能性も高くリカバリーも迅速に行えます。

スロープレーの要因排除にリソース配置なし
最後に、客の満足度を著しく下げるスロープレーによるラウンド渋滞。ひどい時などは各ホール5~10分待ち、通常2時間から2時間15分位のハーフプレー時間が3時間以上に及ぶこともあります。ゴルフ場の方針で渋滞が必然的に発生するプレー客の詰め込み過ぎはともかく、そうでない場合は、ゴルフ場の創意工夫で改善できるはずです。

ところが、なぜかそういう重要箇所に人的リソースは配置されていません。たとえば、コース形状がブラインドになって前の組の位置が確認できないホールなどは、マーシャルを常駐させるべきなのにいない。センサーやカメラも設置されていない。

また、個別のスロープレーヤーに対する注意喚起も十分ではありません。お金をいただいている客に注意するのは忍びないかもしれませんが、そのせいで同じお金を払っている何倍も多くの客が迷惑していることを解消することのほうが重要です。

儲けだけで見れば、プレーした客に不便があろうが、ゴルフ場からすれば関係ない。という考え方なのでしょうか。

ただでさえ、日本のゴルフ場はハーフプレー終了後、一旦食事休憩という余計な時間を強制的に取らせているのに、さらに渋滞でプレイヤーの時間を奪う。
分かりやすく図にするとこんな感じです。

客に無駄な時間を費やさせているということは従業員も無駄な仕事をしているということ。プレイヤーがゴルフ場に滞在している時間をリードタイムと仮定したら、驚くほどに生産性の悪い業態であるといえます。

すでにゴルフ場は、衰退の真っ只中

冒頭の日本生産性本部の調査では、ゴルフ参加人口の推移をみると2001年は1,340万人、2014年は720万人で13年で620万人減少しています。この減少数値、実はテレビ業界とそっくりなんです。「テレビはこの15年間で800万人もの視聴者を失った」参照

ゴルフ業界は、このままいくと60代という最後のパイを食べ尽くした後、市場規模が一気に縮小して終わりを迎えると思います。テレビ業界はもっと早いかもしれませんね。

ゴルフ業界の衰退は、何年も前からいわれています。イメージが悪い、人口減、プレー代金高いなどいろいろな要因が挙げられていますが、石川僚プロや松山英樹プロなどの登場で若者にもよいイメージはあるし、LPGA(日本女子プロゴルフ協会)は、開催できる試合日程枠がなくこれ以上増やせないほど、この世の春を迎えています。

ゴルフ自体に魅力がないのではなく、ゴルフ場に魅力がないと考えるべきでしょう。

なぜ、ゴルフ場に魅力がないかといえば、生産性が低いからです。そして業績が悪くなると真っ先に顧客サービスに直結しているコースメンテナンス費用を削減します。目先の利益のために長年積み重ねてきた価値を簡単に捨ててしまうわけです。

あなたの会社も魅力のないゴルフ場と同じ要因ありませんか?

あらためてゴルフ場の生産性の低い要因を挙げてみましょう。
老害・・60代以上がメイン顧客なので若者の趣向やデバイスに対応していない
思考停止・・情報共有がなされず現場のスタッフからの改善など創意工夫が生まれる土壌がない
低いガバナンス・・ステークホルダーの利益よりも経営層の意向が優先され健全運営がなされていない

これを一般企業に置き換えてみると
老害・・年配者の理解が得られず新しい業務システムを導入できない、稼働しない
思考停止・・無駄な会議が多く皆が疲弊している中で議論を交わす空気感ではない
低いガバナンス・・利益が出ているはずなのに現場や開発に還元される気配がない

人口が減ると経済は衰退するのは構造的な問題で、すぐに解決出来ませんが、労働人口減を前提に経済の衰退を最低限にするとか、いや逆に成長させるとかを考えた場合、生産性を高めることは最重要ポイントになります。そしてそれを達成できる技術やツールは手に入るのです。

なのになぜ生産性が低いのか?

結局のところ、個人々が目先の利益にとらわれて中長期的なことを正面から受け止めようとしないか、そういうことは誰かが考えてくれるとか、どこか他人事ということなのでしょうか。

なんかイソップ童話の世界と同じような気がします。




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