2016年6月22日

ゴミ箱がないオフィスを見学!ペーパーレス化の本当の狙いと成功のポイント

投稿日:2016年6月22日

周りの意見を聞けば失敗する!ペーパーレス化を成功させるポイント
画期的なスマートデバイス「iPhoneやiPad」を創造したスティーブ・ジョブズが商品開発についてこう言及しています。
「モノを設計するのはとても難しい。大概は、人間は出来上がった形を見せて貰うまで自分は何が欲しいのかわからないものだ。」~スティーブ・ジョブズ
これに習って当サイトがペーパーレス化実現について言及します。
「オフィスから紙の書類をなくすのはとても難しい。上司も同僚も、そんなのにお金をかけてどうするの?と言う。ペーパーレス化なんて急を要するものではない。」
このようにペーパーレス化を推進しようとしているビジネスマンの方は、周りからの支持を得られず大変苦労されているのではないでしょうか?

さて先日、2015年10月に掲載した「中小企業が本気でペーパーレスに挑戦した!」という記事をご覧になった企業様が、ペーパーレス・オフィスの視察のためネットブレインズにお越しいただきました。今回は、その時の質疑応答まとめを通じてペーパーレス化やオフィス改革を実現させる重要ポイントを紹介します。

【ペーパーレス化オフィスの記事はこちら】

■来訪された企業様の概要

【本社】東京都 【従業員数】約1,000名
【事業内容】スポーツクラブ事業及びその関連事業

質疑応答の形でお伝えしていきます。ネットブレインズ:以下NB お客さま:以下CS

最初にペーパーレス・オフィスを見学

NB:一番の特長は、書類を保管していたキャビネットを全部捨てて空いたスペースに井戸端コミュニケーションが可能な社内BAR(リフレッシュコーナー)をつくったことです(笑)

ペーパーレス化と同時に電話はスマホを内線化できるソフトフォン(MOT/Phone)を導入。社内のネット環境はALL無線LAN、スマホもタブレットもすぐに仕事で使えます。
ネットブレインズのペーパーレス・オフィス
メールシステムなどをクラウドにして、サーバー設備を1/3に縮小。また作業集中スペースを用意して、そこに居るときは電話も取り次がないという社内ルールを設けたりしています。

ポイントは、オフィスでも自宅でも出先のカフェでも、どこにいても同じ仕事環境にしないとペーパーレスにはならないということです。

CS:やっぱり、モノがないのでシンプルに使えていいですね。

ネットブレインズのオフィス改革:無線化など

ペーパーレス化のきっかけは?

NB:オフィス移転が大きな理由です。もう一つの理由として、5年前に営業の顧客管理をExcelからクラウド(セールスフォース)に変更してから、見積やワークフローも順次システム化していくことにしました。

そして見積->受注->発注->在庫確認->売上->請求までワンストップで処理が可能になったのです。併せて導入した社内SNSで案件単位のコミュニケーションロスも激減し、メールも社内ではほとんど使わなくなりました。

紙がどんどん必要なくなってきた。


その後、オフィスを今の場所に移転した際に、タイムカードを廃止しチームスピリットというクラウド型の勤怠管理システムを導入。従業員が各自でスマホを使って管理するようになりました。

そのタイミングで就業規則も変更。裁量労働制にしました

特に管理部門は定時勤務が理想ですが、今後は育児や介護など朝9時に出社できないライフスタイルも増えてくると思います。ですので、代表電話を取り次ぐ人を交代制にするなど、柔軟なシフト体制で運用しています。

ネットブレインズのオフィス改革:クラウド化など

ペーパーレス化を成功させるポイントは?

CS:私共も紙をゼロにする事とオフィス改革をやろうとしています。成功の秘訣はありますか?

NB:経営の理解がないと成功は難しいと思います。組織が大きくなればなるほど反発も大きいのでトップが旗振りをした方が良い。

CS:周りの意見を拾っているとキリがない(笑) どこかで大鉈を振るわないと。

NB:弊社のような小さな組織でも抵抗はありました。ペーパーレス化を代表とするオフィス改革のメリットをなかなか感じてもらえなかった。

悪い例を挙げると、ペーパーレスになったけれどExcelの入力作業はそのまま変わらず。さらに別のシステムにも入力が必要になったというような、現場にメリットがなく、むしろ業務が増えることになったら絶対成功しない。

紙を使用するのを禁止する代わりに、入力業務が省力化されるなど、現場に対するインセンティブがないと。

ネットブレインズのオフィス改革:成功のポイント

現場にメリットという意味では「脱メール」「脱Excel」は重要なキーワードになるかもしれません。

また、常に業務改善のPDCAサイクルを回し続けないと生産性の向上は期待できません。加えて、継続的に現場に寄り添って対話していかないと(経営の後押しがあっても)ダメですね。

残業削減など、労務環境的な変化は?

NB:まだしっかりと数値化できていませんが、例えば営業が出先から事務処理するためだけに会社に戻ってくるようなことは、なくなりました。これだけでも実質の労働時間は、かなり削減できています。

外出先でも移動中でも社内と同じ環境で仕事が出来るので、例えば経費精算などの事務処理はネットワークさえつながっていれば、電車の中でやってしまえばいいのです。すきま時間を有効に活用できます。
すきま時間活用イメージ

また裁量労働制にしたので、勤務実態の把握と勤怠評価等に不公平がないよう各人の業務の可視化にも注力し始めています。

CS:記事にも書かれていましたが、ペーパーレス化とは、紙をゼロにするのが目的ではなく仕事のやり方を変えて生産性を上げるのが本当の狙いですよね?


NB:そのとおりです。それから業務が可視化されてくると事業部門ごとにP/Lが分かるようになってきます。自分たちの事業は自分たちで予算を組んで仕事を進めていく。そして得た一定の利益を成果として配分していくことにしました。

そうすると従業員のコスト意識が高まり、無駄な動きをやめよう(効率よく働こう)という風になってくる。

そうなると経営側も一定の利益を確保することに現場がコミットしてくれれば、予算の使途について細かくチェックする必要もなくなる。従業員も自分たちの裁量の幅が広がり経営感覚を持って楽しく仕事をしてくれるいい状態になっています。

CS:お話を聞いていて事務処理の効率化は、はっきりと目に見えて伝わってきますね。一方、業績面ではどうなのでしょうか?

業績面での変化やマイナス面は?

NB:業績も良くなっています。移転前の前期と比べて今期(2016年9月決算)は、売上20%UP位になる試算です。

CS:ペーパーレス化をはじめオフィス改革を推進していく際には、周りの説得といった負担が予想されますが、動き始めれば大きなマイナス要素というものはなくなっていくものでしょうか?

NB:いまのところはありません。ただ現在の従業員数は25名ですが、これが30名を越えてくるとムダとかムラはどうしても出てくると思います。

なので、これからは個人ごとの更なる業務の見える化にトライしていく予定です。

オフィスの施工に関して

CS:ペーパーレス化取組の過程で、どのような段階を踏んで「オフィスの最終形」をイメージさせたのでしょうか?

NB:これありき!という最初にイメージを固めたものに進んでいったのではなく、修正を加えながら少しずつ現状に近づけていきました。

CS:移転前のオフィスを変えようとは思わなかったのですか?

NB:狭くてやりようがなかったというのが正直なところです。やはりある程度の広さは必要ですね。
ネットブレインズの旧オフィス:約75坪

実はオフィス移転に関しては、私(社長)と事務スタッフ1名を除いた全員が反対だったんです。理由はお金がかかるから。今のオフィスは移転前の倍の広さになったので、当然家賃は2倍以上。

「そんなコストをかけてどうするんですか?」「時期尚早です。もっとお金を貯めてからでもいいのでは?」とツッコまれました。

でも、私はチャレンジしたかった。味方は一人だけですが、オフィス改革を含めた移転を進めていきました。

オフィスのコンセプトなどは、唯一の賛同者のスタッフにすべて任せました。

CS:実際にどのくらいの期間で進めていったのでしょうか?

NB:オフィス退去は半年前には管理会社に伝えないといけないので、そこからスタートしました。でも実際には3カ月くらいだったと思います。

CS:オフィスの施工は、これまでに何らかのお付き合いのある会社に依頼されたのでしょうか?

NB:いいえ。コンペで決めました。オフィス施工をやっている会社のランキングサイトをみて第2位の会社にお願いしました。

CS:ということはそれなりの大規模なオフィス施工の実績もあったと?

NB:1位の会社はそうでしたが、依頼した2位の業者さんは小さな会社でしたし、弊社のような中小規模オフィスの施工をメインに手掛けていらっしゃいました。でもその方がイメージできると考えました。

オフィス改革で決めたこと

CS:新オフィスとなり、新たなルール(特に禁止事項)を設けるなどの対応をされましたか?

NB:ゴミ箱を撤去しました(笑)

CS:オフィス環境を変えることは「仕組み」であるため、仕組み以外で「一人ひとりが
 変わること(成長すること?)」として、働く人々に課したことはありますでしょうか?

NB:弊社はネットワークのセキュリティ製品やソフトフォンの販売、システムインテグレートなど業務のIT化、つまり生産性を上げるためのツールを扱っていますので、まず自分たちが使ってみて体験したモノを販売していこう、ひとりのユーザーの立場になって提案していこうというのは決めています。

新しい「仕組み」は定着化させるのが難しいので、導入から運用までの実体験ノウハウというのは、他社にはない弊社の価値であると自負しています。

最後に

NB:今回お話ししたことは貴社のお役に立てますでしょうか?

CS:お話しを覗って、想像できていなかった部分がだんだんとイメージとして沸いてきました。ありがとうございました。

NB:仕事でお疲れになったら、私共の社内BARへ一杯飲みに来て下さい(笑)

ネットブレインズ:社内BAR(禁煙)


【オフィス改革:関連情報】
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