2017年7月24日

センター試験廃止の目的は「日本の大学レベル向上」と「グローバル人材育成」

投稿日:2017年7月24日

「日本の大学レベル向上」と「グローバル人材育成」

2020年、東京オリンピックが開催される年に大学入試センター試験が廃止され「大学入学共通テスト」が新たにスタートします。

廃止の理由や新しい試験の期待については、2015 年度名古屋大学学生論文コンテストで佳作をとった「なぜセンター試験は廃止されるのか 大学入試改革について」が参考になるので一読することをおすすめします。
①センター試験の一発勝負に付随して起こる問題は何か、②受験では受験生の総合的な判断がなされるべきではないか、③今の受験勉強に何の問題があって、大学入試制度を変えることで高大接続がどのようにうまくいくのか、という三点について主に説明し、センター試験が廃止される理由を考察していきたい。~なぜセンター試験は廃止されるのか 大学入試改革についてから一部抜粋

ローカル人材からグローバル人材へ

当サイトの独断ではありますが、センター試験廃止は、日本国内で抱えているさまざまな問題とリンクしていると考えています。

例えば、文部科学省は、教育の問題は経済の問題と大いに関連があると想定し、そられをどのようにすれば解決出来るかを検討しています。

【教育の問題】
・世界における日本の大学レベルが低下している->センター試験廃止?
【経済の問題】
・人口の減少から国内市場は縮小する->一人当たりのGDP増加を目指す?

これまでの日本経済は、内需によって充分に成長できていたので、日本市場や日本企業に適した一律教育で運営される学歴社会が最良とされてきたのだと考えられます。

つまり、人材的には年功序列・終身雇用を前提とした日本の会社組織に最適なローカル人材の育成を学校側も推進してきたし、企業側もそれを受け入れてきたのです。

実際、高度経済成長期にはこのシステムが大きな成果を出し、日本を世界有数の先進国に押し上げた揺るぎない実績が存在します。

反面「よい大学を卒業すれば、よい企業に就職できる」という学歴信仰が、「お受験」や「受験戦争」の苗床となり、大学は企業に就職するためのパスポートのような存在に成り下がり、大学本来の高等・専門教育機関としての目的が形骸化されてしまいました。それが、大学の国際的レベルの低下を招く結果につながっていきます。

World University Rankings 2016-2017

さらに、バブル崩壊以降、日本経済はデフレが続き一人当りのGDPは世界26位まで落ち込んでいます。

今後、所得は横ばい・生産性の向上が期待できないとなれば、人口減少と相俟って内需だけでは日本経済が成り立たず、グローバル化に活路を見出すしか術がない状態ともいえます。

文部科学省の考えるグローバル人材育成

前項からわかるように、日本の経済成長はグローバル市場への進出が鍵を握っていることは疑う余地なく、各省庁や企業等は、グローバル人材の育成についてさまざまな検証やプランを実行しています。

そして、文部科学省の「グローバル人材の育成について」を読んでみるとセンター試験廃止は、グローバル人材育成を前提とした大学教育改革、高等教育改革であることがわかります。
文部科学省「グローバル人材の育成について」より

文部科学省の考えるグローバル人材の定義は下記の通り

要素Ⅰ:語学力・コミュニケーション能力
要素Ⅱ:主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感
要素Ⅲ:異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー

このほか、幅広い教養と深い専門性、課題発見・経穴能力、チームワークと(異質な者の集団をまとめる)リーダーシップ、公共性・倫理観、メディア・リテラシー等を有する。

最も重要なのが「英語力」のレベルアップとしています。

「英会話における」グローバル人材の能力水準を初級から上級まで段階的に示すと

①海外旅行会話レベル
②日常生活会話レベル
③業務上の文書・会話レベル
④二者間折衝・交渉レベル
⑤多数者間折衝・交渉レベル

特に④⑤レベルの人材が継続的に育成され、一定数の「人材層」として確保されることが極めて重要。

つまり、文部科学省が定義するグローバル人材とは、これまでのローカル人材に更に高度な能力をアド・オンした人材であるとし、加えてそのような人材を継続的に育成する必要がある。としています。

アクティブ・ラーニングを取り入れた英語教育を実践する「英語のえどぅ」

英語力のレベルアップがポイントとなるグローバル人材育成。山口県の下関市で数年前からアクティブ・ラーニングという手法を用いた英会話スクールを運営している「英語のえどぅ」オーナーの藤永妙香さんにセンター試験廃止等について覗いました。

英語のえどぅ創設者 藤永妙香さん

---センター試験廃止をどのように捉えていますか?

藤永:素晴らしい変化だと思います。日本の教育が変わらないといけないことは、しばらく前から言われていることですが、実際に変わろうとした時に問題になるのが結局「大学入試」でした。

大学入試に有利な勉強をすることは、学生と保護者の何よりも安心なことなのです。しかし、そのセンター試験が廃止になることで、知識を詰め込むことからの脱却の第一歩を進む大きなきっかけになると思います。

---えどぅでは、センター試験廃止に対応した教育手法または理念等はありますか?

藤永:過去、個別レッスンで大学入試のために指導したことはありますが、えどぅでは「センター試験対応」授業は行ったことはありません。

一方、センター試験廃止が決定する数年前から当校のメインであるグループレッスンでは、チームワークと主体性を大切にしたレッスンを行っています。

さらに、アクティブ・ラーニングという教授法を積極的に取り入れ、より一層主体性を伸ばす授業を行なっています。

えどぅでの授業の様子

---アクティブ・ラーニングと出会った「きっかけ」をお教えください

藤永:山本崇雄先生(東京都立両国高等学校・付属中学校主幹教論)の著書「アクティブ・ラーニング!英語授業」の本との出会いがきっかけです。その本の内容に魅了され、山本先生の講演などで勉強させて頂きました。

 

---アクティブ・ラーニングのどのような点に魅了されましたか?

藤永:私が日本で受けてきた教育は「先生の言う通りにできる子がいい子」と言う教育であり、私はずっとそれに疑問を持ってきましたが、アクティブ・ラーニングでは「自分で問題解決の方法を探す。そして友達と協力し、友達の役にたつ素晴らしさを実感する」という、日本の教育とは全く違うものであり、その力の大きさに魅了されました。

英語力のみならず、これからの社会を生きていく力を育てる教育法です。

---現状の日本の英語教育で、文部科学省が重要としている④二者間折衝・交渉レベル、⑤多数者間折衝・交渉レベルの人材を継続的に育成していくことは可能でしょうか?

藤永:悲観的に申し上げると、学校内のみでの活動では非常に難しいと思います。まず、そこまで自らできる教師が日本には少なく、彼らは私のように学校ではなく学校外で活動の場を見つけていることがとても多いですし、生徒の主体性を育てる教育とは、ある意味今までの知識詰め込み型教育とは180度違う教育になるので、ベテラン教師ほど、新しい教育に馴染めないのでは、と思います。

楽天的に申し上げると、センター試験廃止に始まり、学校のテストの点数や生徒の知識の多さに重きを置かない保護者が多くなれば、私たちのような塾でもない英会話教室でもない、外部の教育の場が発展すると思います。そうすれば少しずつ、日本の若者たちは変わってくると思います。

更に昨今はインターネットの普及で、瞬時に世界中と繋がれる時代ですので、若者たちは比較的、国際化に対して抵抗感が少ないのでは、と期待もしています。

---④⑤の人材を育成するには、どのような英語学習が必要だと考えますか?

藤永:英語力があるだけでは無意味です。英語は意思疎通の手段ですので、伝える人間の経験や、伝えたいという姿勢、相手を理解したい、という国際理解の姿勢が何よりも大切です。

---えどぅでは、④⑤の人材育成を意識した教育手法または理念等はありますか?

藤永:当校のアクティブ・ラーニングではチームワークを通して友人の役に立つこと、人に上手に頼ることを経験として学んで行きます。また、失敗を恐れず、むしろどんどん失敗し、それから学ぶことを推奨する環境が必要だと考えています。



---アクティブ・ラーニングについては、近々義務教育にも取り入れられる予定です。えどぅでは、具体的にどのような指導を行っているか、2~3例を挙げてお教えください。

藤永:アクティブ・ラーニングは大それた変化ではありませんが、授業を根本から変える力を持っています。例えば、私たちの授業では、講師からのさりげない一言が何より大切だと考えています。

・生徒から「どうすればいいですか?」と質問があれば「どうすればいいと思う?」と質問を返し、生徒自身にまず考える癖をつける。
・講師が答えを教える代わりに生徒同士でペアやチームになり、自分がわかる問題を友達に教える。わからないことを友達に聞く。

という活動を大事にしています。



---えどぅの教育方針について質問です。塾に通わせている保護者の方は「えどぅで学ぶこと」について、どのような目的・目標を持たれていますか?

藤永:本来は「本当に使える英語を身につけ、英語の楽しさを実感してほしい」ということですが、保護者も私たちも、つい目の前の「テストの点数」や「英語の宿題」などに流されがちですので、いかに「長期的スパンで英語学習を続けていくか」が課題です。

私自身も保護者にも生徒にも、アクティブ・ラーニングの素晴らしさをもっと伝えていくことを課題としています。

2020年は日本にとって大きなターニングポイントになる

2020年、奇しくも東京オリンピックというグローバル祭典とセンター試験廃止という教育改革が実施されます。これは単なる偶然ではなく、日本が今後も成長していくための試金石として重要なイベントになるでしょう。

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