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地方創生

「ローマ法王に献上した神子原米」を食す!スーパー公務員が仕掛けた地方創生の成功事例

2015年7月にTBS系列で放送された唐沢寿明さん主演の「ナポレオンの村」。スーパー公務員がユニークなアイデアを連発して、限界集落を立て直すというストーリー。実はこれ、フィクションだと思っていたのですが、実在した話をベースにしていたんですね。

その実話の主人公であるリアルスーパー公務員の高野誠鮮さんの著書が「ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?

著書を読むと、高野さんは、石川県羽咋市役所の職員(公務員)で、限界集落だった同市の神子原(みこはら)地区の「神子原米」をローマ法王に献上するなど、さまざまなマーケティング戦略によってトップブランドに育て上げた立役者です。

神子原米の凄さは何か?といえば、まずローマ法王御用達になっていること、米袋のデザインは、エルメスのスカーフをデザインした書道家の吉川壽一先生。また、アメリカの人工衛星を使ったスペクトルの解析でお米の旨さの基準になるタンパク質の含有率を非破壊測定して品質均一化の精度を高めたりと、およそ地方の限界集落で行なわれているとは思えないグローバルなブランド化戦略が実施されていました。

神子原米

なかでも、イギリス領事館員が棚田のオーナーになった「お米のオーナー制度」には驚きました。2005年の段階で現在のクラウドファンディングと同じような事を企画されているんです。今、注目されているSNSやIoT、ビックデータの活用などを10年ひと昔前に先取りしていたのですね。

このような世界トップレベルのマーケティング戦略によってブランド化された「神子原米」。どんなモノなのか非常に興味がわいてきたので、さっそく購入してみました。

米を炊くために最良の環境を用意

さて、ローマ法王に献上された米を食するのに、まさか水道の水で米を研ぎ、電気炊飯器で炊くなど、フェラーリで砂利道を滑走するかのごとくあり得ない事。庶民ではありますが、筆者が現時点で出来る最良の炊飯環境を用意しました。

まずは、米を研ぐのと炊飯に使用する”水”
地下1000メートルからくみ上げ、一般細菌ゼロというスーパー天然水「天城深層水 健」を用意。渓流やきれいな湧き水でしか栽培できない”本わさび”の産地で有名な静岡県伊豆半島「わさびの駅」で提供されている地下水。日本では珍しいカルシウム豊富な中硬水で「ごはんがふっくらおいしく炊ける」とのこと。また、素のままで化粧水代わりにもなるという神の米に負けないストーリーがある水です。

そして、米を炊くための優れた機能を有しコストパフォーマンスが高い”土鍋”。よりおいしく炊けるように大型の7合サイズを奢りました。

直営オンラインショップで神子原米を購入

肝心の神子原米ですが、直営オンラインショップで注文。とりあえず5kg/3,300円(税込)の玄米を選択。人気商品とのことで注文から発送まで2週間前後。先日ようやく到着しました。
見た目で米の質が分かるほどの見識はありませんが、筆者が常食しているJA佐用の最高ランクコシヒカリと比較してみました。

神子原米との比較
玄米での見た目比較

神子原米(コシヒカリ)は、小粒で全体的にカタチが整っているように見えます。JA佐用(兵庫西)のコシヒカリは、身がしっかり詰まっています。ちなみに全国のいろんな米を購入してみて、こんなおいしい米を食べたことがない!と感動して常食にしている”JA佐用の最高ランクコシヒカリ(30kgで1万円くらい)の味”ですが、もっちり甘くて米の香りがめちゃ食欲をそそる逸品です。

そして、神子原米を最高の状態で食すために、直前で精米しました。搗き具合は、標準としました。最近の精米機って細かく搗き具合を設定できるんですね。

神子原米(玄米)を標準で精米

いよいよ炊飯です。天城深層水を米研ぎの段階から惜しみなく使います。研いだ米を土鍋に入れて適量の水に浸し20分ほど置いた後、ガスコンロで一気に加熱。炊きあがったら火を止めて約20分、蓋を開けずに蒸らして米の芯まで熱を通します。

蒸らしが終わった米を木曽檜の”おひつ”に移して余分な水分を取ります。頃合いを見て茶碗にご飯をよそって完成!(しゃもじと茶碗は、桜の木から削り出したハンドメイド製)

炊いたお米を檜のような天然木のおひつに入れると、余分な水分が吸収され、木の香りが米の臭みも打ち消してくれるので、普通のお米でも味がワンランクアップします。おすすめです。

 

米の味を純粋に楽しむために、おかずは、だし巻き玉子と昆布の佃煮に梅干しとしました。

まず、米をひと口、、、、

うまい…

JA佐用の最高ランクコシヒカリを初めて食べたときは、圧倒的な甘味と米の香りに「なんじゃこりゃ~?」の松田優作状態でしたが、神子原米は言葉にできない。

コシヒカリの特性はもっちりした食感なのですが、神子原米は口の中で米一粒ごとのカタチを感じることが出来るんです。味はコシヒカリだけど、ササニシキのような食感。甘味も香りも清涼感があります。

神子原米の自家製おにぎり

本当に旨い米は、冷えてもおいしいらしいので翌朝、おにぎりをつくってみました。(海苔は、口に入れると歯に引っかからずに溶けていく増辰の金曜焼きたてを使用)

あれ、昨晩の炊きたてより、おいしい!ずっしり重くて、甘味と粒感がより際立ち、米の集合体を一粒ずつ味わっているという独特の感触。お米食べて感動したの初めてです。

農家の平均年収が87万円だった限界集落で栽培されている米がこれ程とは、正直驚きです。だからこそ現在のような高級ブランド米として成功したともいえる訳ですが、いくらスーパー公務員である高野さんのマーケティングが巧みでも、お米そのものの品質が評価に値するものでなければ一過性の事案で終わっていたと思います。

地産の本来の持つ価値やポテンシャルをどうやって世に広めていくかが地方創生のカギになりそうですね。

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