
確定申告に関連する経費の仕訳や青色申告に必要な貸借対照表の作成など、なんとか省力化できないか?長年の悩みのひとつでありましたが、スマートデバイスとクラウド全盛時代の今、ようやく解決の目処が立ちました。
経理の効率が50倍になるクラウド会計ソフトfreee
これまでは、PCにインストールする一般的な青色申告用の会計ソフトを使用していましたが、とにかく経費などの仕訳入力が面倒なのです。たとえば、1500件の仕訳入力があったとします。領収書を月ごとに分けるのに2~3時間、内容を確認しながら金額と科目、品目等を入力するのに30秒×1500で約16時間(1時間に10分の休憩を計上)、その他諸々の作業を含めますと24時間は軽くかかりますので、気力・体力共に疲弊します。そこで、遅ればせながら最近何かと話題になっている経費の仕訳がカンタンな全自動のクラウド会計ソフト freee(フリー)
今回の確定申告に関連する作業では、過去の会計ソフトとの操作方法や処理方法が違うので、若干戸惑いましたが、それでもこれまでの半分程度の時間で一連の作業が完了。ソフトの使い方を覚えるためにかなり時間を要したので、実際の作業時間は大幅に削減できたと思います。
経費仕訳から申告完了まで5~6時間
freeeを導入した今年の確定申告作業に要した時間と昨年までの平均時間をまとめてグラフにしてみました。やはり仕訳入力の作業時間が劇的に削減されています。
仕訳入力時間を大幅削減できたのはfreeeの「自動で経理」が大きく貢献しました。freee最大の特長であり要といえる機能です。自動で経理については詳しく後述しますが、この機能を最大限活かすには、経理データのデジタル化が大前提になります。
freeeを最大限活かす環境を整える
そもそも確定申告の作業が面倒なのは、複式簿記の複雑さ、勘定科目のわかりにくさはもちろんですが、書類、通帳、領収書といった紙のドキュメントをデータ化しなければならないことが最大の理由です。freeeは、ネットから銀行口座やクレジットカードの入出金データを取り込んで、推測で仕訳まで行なってくれるので、領収書を見ながら1件ずつデータを手入力する必要がありません。これは実際にやってみるとビックリするくらい楽なんです。

freeeを最大限活かせるようにするには、まず銀行口座をオンラインバンキングにすることから始まり、所得税や住民税は口座振替、家賃、水道光熱費、年金、保険、自動車税などの経費の支払はクレジットカードや電子マネーを基本とします。現金での支払を極力減らすことが全体の作業を軽減させるポイントです。もちろんe-Tax用の電子証明書の取得はいうまでもありません。
本当に手入力がなくなる経費仕訳
freeeの要である「自動で経理」について詳しく説明しましょう。一般的な会計ソフトは、銀行口座の出納記録や経費の仕訳を利用者が勘定科目を判断して手入力でデータを記録していきます。なるべく簡易になるように各社工夫はしていますが、物理的な入力時間の短縮には限界があります。一方、freeeは銀行口座の出納情報やクレジットカードの支払データをネット経由で同期します。1件1件の明細ごとに勘定科目を推測して下記の様に表示してくれます。
![]() |
freee「自動で経理」の画面 |
![]() |
不要な明細の処理 |
![]() |
freee「自動で経理」のスマホ画面 |
スマートな事業主勘定
もうひとつ感動したのが事業主勘定処理の家事按分機能です。通常は、家賃や水道光熱費を事業とプライベートで按分して仕訳登録するため計算式などをいれたExcelなどで管理するのですが、freeeは一味違いました。

取引一覧の画面に戻り、自動で仕訳登録された家事按分が必要な電気料金に【品目名:電気料金】と設定しておきます。すると家事消費分の金額は事業主貸、事業消費分の金額は経費として自動的に振分けてくれます。
ほかにも紙の領収書をスマホのカメラを使ってスキャンしてデータとして取り込むこともできるし、平日のオンタイムであれば、チャットでわからないことをその場で教えてもらうことも可能です。

いかがでしょうか?これまでに会計ソフトを使って青色申告用の書類を作成した経験のある方ならfreeeの凄さが分かったいただけると思います。
個人的には、freeeを導入して実際に使ってみて、次年度から今までのような面倒から解放されると思うと、なぜか大事を成した錯覚に陥ってしまっている今日この頃です。