
2017年10月27日 iPhone 8、iPhone 8 Plusよりも遅れて最新のiPhone Xの予約が開始されました。記念すべきiPhoneの10代目であるiPhone Xは、とうとうiPhoneの最大の特徴であるホームボタンをなくしてしまいました。
iPhoneの躍進の最大要因はホームボタンである
今となっては、iPhoneは、スマートフォンの代名詞のように扱われていますが、初代iPhoneは、同カテゴリーのデバイスとしては、むしろ後発だったのです。![]() |
世界初のスマートフォンと言われている「Nokia 9000 Communicator」:写真 Wikipedia |
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セキュリティの高さで人気を博したBlackBerry(ブラックベリー)シリーズ:写真 Wikipedia |
iPhoneが登場する前までのスマートフォンは、主に一部のビジネスマンに重用されていましたが、小さな端末に豆粒以下の無数のボタンが配列されているキーボードという組合せで、とてもじゃありませんがコンシューマー向きではありませんでした。
ところが、後発であるアップル初のスマートフォン「iPhone」は、端末の下部中央にボタンが一つ配置されているだけで、これまでのスマートフォンとは似ても似つかないデバイス形状で登場したのです。
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ボタンが一つしかない初代iPhone:写真 Wikipedia |
iPhoneの歴史は、標準否定の歴史
昨年のiPhone 7リリース時に公開した「最新のiPhone 7は最良のiPhone」に詳しく書いていますが、iPhoneはスペック競争や価格競争の枠外にあるスマホであります。iPhoneは、「人が発想するためのツールをつくる」というコンセプトをベースに開発されていますので、仕様や主要諸元からは、iPhoneの本当の魅力を測ることは難しいのです。
例えば、Androidを代表とする他のスマートフォンとiPhoneとの決定的な違いをひとつだけ挙げるとしたらiPhoneは、標準とされる機能をことごとく否定し、新しい標準を生み出しているという点です。
【主なiPhoneの廃止歴史】
初代iPhone・・キーボード廃止、Flash非対応
iPhone 5・・・Dockコネクタ廃止、Lightningコネクタ導入
iPhone 7・・・イヤホンジャック廃止
iPhone X・・・ホームボタン廃止、既存機能の55%を廃止
なぜ、使い慣れている機能や定着してきた仕様を変える必要があるのでしょうか?
もう、ステレオタイプの批判や妬みはやめよう
iPhoneに限らずアップルという会社は、従来の標準規格をいともカンタンに廃止して、賛否を議論する機会を世に提供しています。しかし、これこそが、アップルの本質といえるのです。Think different. 「発想を変える」、「ものの見方を変える」、「固定概念をなくして新たな発想でコンピュータを使う」これこそが、世の中に新しい価値を生み出す原点であるとアップルは考えているのでしょう。
巷では、新しいiPhoneが登場する度にSNSなどで、ステレオタイプの批判が散見されます。まあこれも風物詩と言えばそうなのですが...
「スペックでは、Andoroidが上」「最上位機種以外のiPhoneは情弱向け」「今までの機能で充分」などなど
iPhoneの歴史は、標準の否定の歴史であると同時にイノベーションの歴史でもあるのです。当時アップルがどのような未来を描いてそのiPhoneを開発していたか?ということに想いを寄せてみてください。
それだけで、どの世代のiPhoneを所有していても「QOLに寄与したい」というアップルの想いが伝わってくると思います。
そう、iPhoneを持っていると、世の中の変化がより鮮明に実感できるのです。
これこそが、本来のiPhoneの楽しみ方であると勝手に想いながら、iPhone Xが手元にくるのをゆっくり待ちたいと思います。