2020年6月9日

政治家のホームページの作り方【移住して5カ月で当選!】県内最年少首長(当時)小園拓志町長の公式サイトはこうやって制作した

投稿日:2020年6月9日


移住5カ月、41歳の“よそ者”が町長に

2019年2月、長野県ではちょっとした話題になった人口15,000人の小さな自治体『御代田町(みよたまち)』の町長選挙。3期12年勤めた現職町長に投票日の5カ月前、2018年10月に北海道から移住してきた新人が挑むという異色の選挙でした。

当初は、現職有利という状態でありましたが、蓋を開けてみれば、新人の圧勝。
任期満了に伴う御代田町長選(長野県)は17日投開票され、無所属新人でジャーナリストの小園拓志氏(41)が4267票(得票率55.8%)を獲得し、無所属現職で4選を目指した茂木祐司氏(62)を破って初当選しました。~政治山より

縁あって新人立候補者の公式サイトを制作

筆者は、この移住5カ月で御代田町長に初当選した小園拓志さんの選挙時の公式サイトを縁あって制作しました。当選に影響を与えられたかどうかはわかりませんが、犬山市議会議員の久世高裕さんのツイッターでは、うれしい評価をいただきました。

これまでのマーケティングノウハウを厳選して盛り込んだサイトなので、備忘録を兼ねて記録に残しておきます。


投票日まで1カ月という状況で制作スタート

2019年1月18日の夜に小園さん後援会の有志が集まった懇親会という場で、はじめて彼の話を伺ったのですが、移住してから町中を歩いて、いろんな人と直接対話して、町の問題点や町民の意見を細かに集めている行動力には感服しました。

また、公約の素案も価値ある内容と感じたのですが、やはり3期12年の現職候補は強大で、戦況は五分以下といったような雰囲気だったことを記憶しています。

当時、投票日まで1カ月しかなく、これから候補者のホームページを制作するなんて間に合うのか?という懸念を抱かれたと思います。もちろん、私自身も数日でホームページを公開しないと意味を成さないと考えていました。

懇親会から投票日までのスケジュール
小園さんとの出会いから投票日までの1カ月の出来事


早期公開のためGoogleのBloggerサービスを活用

1月18日に話を聞いて、翌日にサイト全体の構成をまとめ、20日~21日は、小園さんを町中連れ回して、インタビューや動画および写真撮影を慣行し、実質3日で公式サイトをオープンさせました。


ホームページを早々に公開する方法はいくつかありますが、筆者はGoogleのBloggerというシステムを利用しました。自社サイトも含めて制作経験があることと、SSL対応で独自ドメインが使えること、そしてGoogleのサービスですので、SEO対策が最小限で済むことなどが主な導入理由です。

急増とはいえ、首長選挙・立候補者の公式サイトですので、セキュリティの脆弱な「http」ではなく「https」、ドメインも『xxxxxx.ne.jp/XXXXXX』といったプロバイダやブログサービス会社のドメインではなく『kozono-hiroshi.com』という独自ドメインを使用しました。

公式サイトに盛り込んだプロの施策や技術

構想1日、制作期間3日という短期間でしたが、有権者に共感してもらえるような情報をどのくらい盛り込むか熟考しました。

結論としては、自分がこれまで政治家のホームページを見て改善した方がいいと感じていた点は、盛り込めたと思っています。

施策①小園拓志は何者であるか

立候補者が、どのような人物であるかは、投票の意思決定において最重要ファクターだと思いますが、以外にしっかりと情報が掲載されていないケースが散見されます。なので、小園さんには、プロフィールは、小学校の卒業課題の『生い立ちの記』を書くくらいの情報量を下さいとお願いしました。

この点については、小園さんは元新聞記者ですので、素晴らしい内容の原稿が送られてきました。(小園さんのプロフィール情報はこちら

施策②子育て世代のお母さんをペルソナに設定

18歳から高齢者まで幅広くすべての有権者に向けてメッセージを発信するのは、短期間では無理です。

情報を提供するペルソナは、教育施策をメインとしている小園さんと相性がよく、強力な口コミネットワークに所属し、はじめて政治の重要性を意識するであろう子育て世代の母親(30歳~40歳前後)としました。

一般的には、投票率の高い高齢者や浮動票が期待できる若者世代をターゲットとするケースが多いと思いますが、高齢者はネット利用率が低く、若者はネットを使いますが、投票所に足を運ばせるには時間が足りません。

ペルソナ(persona)とは、サービス・商品の典型的なユーザー像のことで、マーケティング関連において活用される概念です。実際にその人物が実在しているかのように、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、特技、価値観、家族構成、生い立ち、休日の過ごし方、ライフスタイル……などリアリティのある詳細な情報を設定していきます。~Ferretより

施策③わかりやすい情報構成

選挙のホームページだけでなく、すべての配信コンテンツにおいて、情報のわかりやすさというのは重要です。

個人的な意見ですが、人間の思考のフレームワークは3階層までが限界で、それ以上の4階層、5階層まで説明しないと伝わらないことは、理解できないこと、まとめ方が足りないこととであるとしています。

故に小園さんの公式サイトは、2階層までで内容が伝わるように工夫し、第1階層は「課題共有」、第2階層は「課題解決」としました。

そして、各記事のタイトルを
『小園ひろしは、○○○○について□□□□です』に統一し、本文中の主語も「私」ではなくすべて「小園ひろし」としました。

立候補者のフルネームを主語にすることで、当人が語っている感を高めると共に具体的な解決案を提示することで、町の抱えている問題が解消されるかもしれない期待感を提供できたと思います。

とにかく、『有権者の感じている町の問題』と『立候補者の提案する解決方法』を結びつけることに細心の注意を払い、小園さんの施策内容を文章と図版・写真をバランス良くまとめて配置しました。

これらのソリューションは、弊社が開発し商標登録している『VCAフレームワーク®』の一部を応用しています。

また、本来ならプロのライターさんを起用したいところでしたが、時間も予算もなかったので筆者が、小園さんから話しを伺いながら原稿を作成、または小園さんの原稿を編集しました。


公式サイトの記事タイトル一覧

施策④よそ者のイメージを逆手に

地方においては、どんなシーンでもよそ者は信用してもらえません。こればかりはどうしようもありません。下手に説明しても藪蛇になるだけです。この点に関しては、ネガティブな印象をポジティブに表現することで解消していく施策を行いました。

・なぜ御代田町に来た?=>嫁ターンで嫁孝行です
小園ひろしは「嫁ターン」で御代田にやってきました

御代田町は、移住者に対して比較的ポジティブでしたし、小園さんは北海道出身、奥さんが長野県出身だったので、今まで長野から北海道に嫁いできてくれたから、今度は長野についていきますという、Uターンの亜流「嫁ターン」イコール「嫁さん孝行」という体にしました。

・東大卒は頭が固いのでは?=>最高学府出身者の教育施策は一味違う
小学生の基礎学力向上の決定打!小園ひろしの放課後寺子屋構想

「東大卒」というのは、一般的に「勉強ができるけど…XXXX」みたいな印象があると思いますが、『子供の教育』というレイヤにおいては、これ以上の頼もしいブランドはないですよね。日本の最高学府出身者の教育施策など、そうめったやたらに受けられるものではないですから。

この点は、小園さんのキラーコンテンツとして、現職に対して大きなアドバンテージがあると考えましたので、後援会主催で小園さんの教育施策である「放課後寺子屋構想」のデモンストレーションを体験出来る説明会も並行して企画しました。

施策⑤動画を活用する

短時間でより多くの情報を伝える手段で最も効率が良いのは、動画です。Bloggerと同じGoogleのサービスであるYouTubeにも公式チャンネルを設けて、できるだけ多くの動画を投票日前日までUPしつづけました。



2019年2月8日に小園ひろしムービーとしてYouTubeチャンネルを公開、投票日まで10日というギリギリのタイミングですが、間に合いました。アップした動画は20本。さすがにこの本数の動画撮影と編集は大変でしたが、やはり動画の影響力は大きかったようで、現職陣営に対してプレッシャーを与えることができたと思います。

この動画の編集もいろいろ手間をかけています。まず、ペルソナが子育て世代なので、テレビのワイドショーのような画面デザインとしました。

テロップも適所に表示させて、テキストを追うだけでも内容が伝わるようにしました。ターゲットとしている有権者にスムーズに動画を見てもらう為の工夫です。


YouTubeの画面装飾はテレビのワイドショーのテイスト

次に、音声の編集を行いました。講演に慣れている人やプロのMC、アナウンサーは別ですが、普通の人は、無駄なく流暢にしゃべることはできません。「えー」「あー」「あのー」「そのー」などフィラーと呼ばれる意味を持たない言葉を無意識に発します。

このフィラーですが、動画を視聴する場合、結構なストレスになりますし、話している人の内容を理解する妨げとなります。このフィラー発言を編集で細かくカットして、流暢に話しているようにする作業を念入りに行いました。

当確直後から何千というアクセス

果たして投票日当日の夜中、小園さんの当選が発せられた直後から公式サイトにアクセスが殺到しました。Googleのプラットフォームでなければサーバーダウンしていたと思います。

こういう事態にもBloggerというシステムは非常に優秀なのですが、なんと無料で利用できるのです。Google標準のSEO対策が搭載されていて、かつ高セキュリティでスケールメリットもある。こんな素晴らしいネットインフラを提供しているGoogleに感謝ですね。

【追伸】
筆者は広告やホームページ制作においては、ディレクター職です。会社で請け負う案件に関しては、コピーライティングやデザイン、HTMLコーディング、写真・動画撮影、動画編集などは、プロのクリエイターが担当します。

今回の小園さんの公式サイトは、会社の業務ではなく、筆者個人のプライベートなボランティア案件なので、筆者一人で作業を行って制作したモノです。

御代田町で幸せに暮らしていくための情報を配信するメディアも運用しています

御代田町町長選挙、筆者が長野県北佐久郡御代田町に移住して1年半くらいの時期に起こったイベントは、以前にも増して地方創生ビジネスを真剣にやっていくキッカケになりました。

そして、2020年1月末、株式会社アイテムは、『みよたまっち』という御代田町を盛り上げるメディアをオープンし、都会から御代田町への移住者希望向けにさまざまなサービスを提供しています。

都会から地方へ移住を検討しているみなさま、日本屈指のリゾート観光地「軽井沢」の隣町である『御代田町(みよたまち)』をよろしくお願いいたします。



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